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近年、カンナビジオール(CBD)は世界のウェルネス業界を席巻し、サプリメント専門店や自然健康食品店などで販売されている製品の仲間入りを果たしました。CBDを注入したオイル、ボディクリーム、リップクリーム、バスボム、プロティンバーなど様々な製品があります。そして、アルコール飲料メーカーもこの流れに乗り、CBDを注入したビールやアルコール飲料を製造し始めました。しかし、欧米では多くの人がアルコールとCBDを組み合わせて本当に安全なのかどうか疑問に思っています。きっと、皆さんの中にも同じように考えている人はいらっしゃるいと思います。今日は、CBDとアルコールを混ぜた場合の人体への影響を、現在判明している研究結果などを交えながら検証したいと思います。
CBDにはストレス緩和、不安の軽減、不眠の改善、抗酸化・抗炎症作用、アンチエイジングまで様々な効果が期待されています。EU初のCBD上場企業「ヘンプリーバランス(Hemply Balance)」が開発した、スイス産オーガニックヘンプ抽出の高品質CBD製品はこちらから購入できます。
カンナビノイドとは
カンナビノイドはマリファナやヘンプなどの大麻植物に含まれる化学物質の総称です。麻に含まれている主なカンナビノイドはTHC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)ですが、大麻植物に含まれているカンナビノイドの種類は現在確認されているだけでも100を超え、中には最終的に200を超えると考える研究者もいます。各カンナビノイドの特性や人の体に与える影響などの研究はまだ初期段階で、カンナビノイド全ての種類の特性や副作用などが解明されるにはまだまだ時間がかかるでしょう。
CBDとは
CBDとして知られるカンナビジオールは、THCに次いで2番目に多く含まれており、大麻植物抽出液の最大40%を占めています。脳に影響を及ぼし高揚感や陶酔感などのいわゆる「ハイ」な状態にするTHCとは異なり、CBDにはそのような向精神作用がありません。CBDには、不安解消、痛み緩和、心臓と脳の健康改善など多くの利点があり、現在一般的には、痛みや不安を緩和するために使用されています。CBDの研究は他のカンナビノイドのようにまだ初期段階ですが、複数の初期研究で有望な結果が報告されており、非常に優れた安全なプロファイルを持っていることが分かっています。
様々なCBDの利点に関しては、こちらの記事をご参照ください。
CBDの合法性
CBD(カンナビジオール)には、脳に影響を与え高揚感や陶酔感など「ハイ」な状態にする向精神作用が無いため、THC(テトラヒドロカンナビノール)のような日本で禁止されている薬物ではありません。欧米では0.2~0.3%までのTHC含有量は産業ヘンプと見なされ、アメリカでは2018年に産業ヘンプの合法化が認められました。他にも、医師によるCBD処方薬は現在Epidiolexというてんかんに効くCBD薬が食品医薬品局(FDA)により認可されています。その他にも合成CBDとTHCの処方薬、nabilone、dronabinolなどがFDAにより認証されており、合成CBDとTHCの混合薬であるSativexは、アメリカでは現在治験中ですが、カナダやヨーロッパではすでに認可されています。日本では完全に検知不可能なゼロTHC製品のみが厚生労働省の審査・認可を受け、日本に輸入されています。
アルコールとは
アルコールに関してはよくご存じの方も多いと思いますが、ここで今一度アルコールとは何なのかをおさらいしたいと思います。
アルコール飲料の主な精神活性成分はエタノールです。一般に「アルコール」と呼ばれるエタノールは、私たちを酔わせる物質です。これは、ワインに使われるブドウやビールに使われる穀物などの炭水化物が豊富な食品の糖分を消化する酵母によって生成されます。アルコールは、世界で最も人気のある向精神薬の1つで、私たちの気分や精神状態に強力な影響を与えます。
内気や自己意識という精神のバリアを下げることによって、アルコールは私たちが抑制されることなく行動できるようにします。同時に、私たちが判断力を損ない、酔いがさめた時に後悔するような行動を促進します。一度に少量を飲む人もいれば、一度に大量飲酒する傾向がある人もいます。
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CBDとアルコールを混ぜるとどうなるのか?
残念ながら、CBDとアルコールを混ぜた効果を調べる研究は現時点では非常に限定的で科学的に裏付けるためにはまだ多くのデータが必要です。しかし、スケールは小さいですが人間やマウスを対象とした研究がいくつか行われていますので、それらの報告からアルコールとCBDを混ぜた時の効果を見てみましょう。
互いの効果を増幅する可能性
アルコールは自己抑制を緩和し、リラックス感を促進します。そして、CBDは不安を軽減し、神経を落ち着かせることができます。72人を対象とした研究では、25~75mgのCBDを1か月間毎日服用すると、不安が軽減し、睡眠の質が向上することが示されました。アルコールとCBDを一緒に摂取すると、これらの効果が増幅され、眠気や鎮静作用の増加を引き起こす可能性があります。また、CBDとアルコールを混合すると、互いの効果が強まり、気分や行動に変化が生じると主張する人もいます。ある小規模な研究では、体重1kgごとに1gのアルコールと200mgのCBDを被験者に与え、その効果を調べました。その結果、CBDとアルコールを組み合わせると、運動能力に重大な障害が生じ、時間の知覚が変化することが分かりました。被験者がCBDを単独で摂取した際はこのような変化は報告されませんでした。しかし、注意しなければならないのは、この研究は古い研究の1つで、CBDの摂取量も一般に使用する量よりもはるかに多いCBDを使用しているということです。
それでも現在あるデータを見る限り、CBDは私たちがアルコールで酔うスピードを速めるかもしれません。
アルコールの副作用から保護する可能性
CBDとアルコールを混ぜた際の影響に関してはまだあまり知られていませんが、いくつかの有望な研究では、CBDがアルコールの副作用から体を守る役割をする可能性を示唆しています。
アルコールによる細胞の損傷や病気を防ぐ
アルコールの摂り過ぎは、内臓の細胞に損傷を与える可能性があり、膵炎、肝臓病、特定のがんなどの慢性疾患や炎症のリスクを高めます。複数の動物実験では、CBDがアルコール摂取によって引き起こされる細胞損傷を防ぐ可能性が示唆されています。マウスを使った研究では、CBDゲルを皮膚に塗布すると、過度のアルコール摂取によって引き起こされる脳細胞の損傷が最大49%減少することが分かりました。また、別の研究では、マウスにCBDを注射すると、新しい細胞の代謝サイクルを促進して組織の再生に繋げるオートファジーというプロセスを増加させ、アルコール誘発性脂肪肝疾患からの保護に役立つと結論付けられました。しかし、ある研究では非常に大量の大麻抽出物がマウスの肝臓毒性を引き起こす可能性があることを示しています。これらの動物実験で報告された影響が人間にもあるのかどうかは現時点では不明です。
血中アルコール濃度を下げる可能性
血中アルコール濃度(BAC)は、血中のアルコール量を示し、数値が高いほど運動能力のコントロールと認知機能の喪失が大きくなります。現在血中アルコール濃度に対するCBDの影響に関する研究はほとんどありません。しかし、10人を対象としたある研究では、被験者が200mgのCBDをアルコールと一緒に摂取した場合、プラセボと一緒にアルコールを摂取した場合よりも血中アルコール濃度が大幅に低下することが分かりました。ただ、この研究では現在一般的に推奨されているCBD摂取量の約5~10倍の量を使用しているため、通常の投与量で同等の効果が現れるかどうかは不明です。さらに、いくつかの動物実験では、CBDがアルコールと一緒に動物に投与しても血中アルコール濃度が低下しなかったという矛盾する結果が報告されています。したがって、CBDが人間の血中アルコール濃度にどのような影響を及ぼすのかを判断するにはさらなる研究が必要です。
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アルコール依存症の治療をサポートする可能性
一部の研究者は、CBDがアルコール使用障害の治療に役立つと信じています。これは、複数の動物実験で、CBDが依存症と離脱症状のいくつかを軽減するのに役立つと報告されているためです。最近のある研究では、アルコール中毒のマウスに対するCBDの影響を調べたところ、CBDはアルコール摂取量を減らし、再びアルコール中毒になるのを防ぎ、アルコール消費への衝動を減らす役割を果たしました。24人の喫煙者を対象としたある研究では、CBD吸入器を1週間使用すると、紙巻きたばこの吸引量が40%減少したことが分かりました。これらの結果はCBDが中毒性のある行動を抑制するのに役立つ可能性があることを示唆しています。
CBDは二日酔いに役立つ?
アルコールを飲み過ぎた後の二日酔いには、倦怠感、口渇、吐き気、頭痛などの症状があります。CBDの吐き気を抑える効果や頭痛に対する鎮痛作用は、二日酔いの症状を緩和する可能性があります。しかし、二日酔いの頭痛は、通常アルコールによる脱水状態が原因なので、水やスポーツドリンクで喪失した水分とミネラルを十分に補給することが大切です。
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CBDとアルコールを混ぜることの危険性
CBDとアルコールを混ぜて摂取すると次のような危険性が考えられます。
- 極度の倦怠感と眠気:CBDとアルコールを混ぜて摂取した後、非常に強い眠気と感じる人がいると報告されています。
- 危険レベルの陶酔状態:CBDがアルコールの効果を増幅する場合、特にCBDやアルコールを日常的に使用していない人にとっては、予想よりも高いレベルの陶酔を引き起こす可能性があります。
- 結果が予測不可能:CB2受容体には少なくとも7つの変異があり、これは人によってCBDとアルコールの組み合わせに対する体の反応が大きく異なる可能性を示しています。
- 研究データ不足:CBDとアルコールを混合した際の影響に関しては研究データが明らかに不足しているため、現時点ではCBDとアルコールを混合することはお勧めできません。
CBDとアルコール混ぜて服用しても良い?
この質問に答えられるだけの研究や調査が行われておらず、データ不足の上に前述のような危険性があります。また、人によってアルコールやCBDに対する反応の程度は様々で、みんなが同じような経験をするとは限りません。さらに、現在までに行われている研究には大量のアルコールやCBDが使用されており、ビール1~2杯で同じような影響がでるのかどうかはわかりません。あまりにも不明な点が多いため、現時点でCBDとアルコールを混ぜて服用することはお勧めできません。
まとめ
現在世界中で人気急上昇中のCBDは、様々な製品に注入されて販売されています。その中でも最近はCBDを注入したアルコール飲料も市場に現れるようになりました。市販されているCBD入りアルコール飲料は、その安全性を確認した上で販売されているのだと考えますが、私たちが自分でアルコールにCBDオイルやティンクチャーなどを混ぜて飲むのは控えた方が賢明でしょう。CBDはアルコールが体に及ぼす悪影響を防ぐという画期的な研究結果もありますが、人を対象とした研究データがほとんどなく、人によってCBDに対する体の反応も大きく異なるため、どのような結果になるのか予測ができません。CBD1滴を入れたビール1杯だけならあまり心配はないと思いますが、CBDやアルコールを大量に同時摂取するのは止めましょう。
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参考元:Colorado Botanicals、healthline、The CBD Insider
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