油物好きは必読!脂っこい食べ物が与える身体への影響と対処法
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Photo by Léo Roza on Unsplash

天ぷら、唐揚げ、串カツ、チーズバーガーとフライドポテトにピザ・・・揚げ物や脂っこい食べ物ってどうしてこんなに美味しいものばかりなのでしょう。食べられるなら毎日でも食べたい、でも健康への影響が気になる、という方は多いのではないでしょうか。日本だけでなく、油物は世界共通、様々な国で愛されています。しかし、油物が健康に良くないというのは避けられない事実。今日は、油物が与える人体への影響と対処法をご紹介したいと思います。

油物って何?

油物とは、油で揚げた料理、又は油を多く使った料理などを意味します。例えば、上記以外にも、ポテトチップス、オニオンリング、ドーナッツ等多くの油物があります。

これらの油物は、一様にしてカロリー、脂肪分、塩分、精製炭水化物を多く含み、繊維質、ビタミン、ミネラルが少ないです。たまになら、美味しく楽しんで食べられますが、短期的、長期的に見ても、身体に悪い影響を与えます。

油物による身体への影響

  1. お腹の張り、腹痛、下痢
    炭水化物、脂肪、タンパク質などの主要栄養素の中で、脂肪を消化するには最も時間がかかります。また、その分解に、他の栄養素よりも多くの酵素と胆汁や胃酸などの消化液を必要とするため、身体の消化器系に大きな負担を与えることになります。油物を食べた後、長時間経っても胃が重たいと感じるのは、油物が中々消化されずに消化器官内に残っているからです。消化液は、ストレスや服用薬などで分泌が抑えられることが多いので、少ない消化液で負担がより大きくなり、結果的に、お腹の張りや腹痛、下痢の原因となります。特に、消化器系の弱い人、過敏性腸症候群、慢性膵炎などを患っている人は、腹痛や下痢を引き起こしやすくなります。
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  1. 腸内細菌叢の損傷
    脂っこい食べ物は、健康な腸内菌を損なうことで知られています。腸内細菌叢とも呼ばれるこれらの微生物は、次のような働きをします。
  • 繊維質の消化 – 腸内バクテリアは、繊維を分解して短鎖脂肪酸(SCFA)を生成します。短鎖脂肪酸には、抗炎症作用があり、消化器系の病気から身体を守ってくれる可能性があります。
  • 免疫反応 – 腸内細菌叢は、免疫細胞と交信し、感染症や菌に対する身体の免疫反応をコントルールするのに役立ちます。
  • 体重調整 – 腸内細菌のバランスが取れなくなると、体重が増えやすくなります。
  • 腸の健康 – 腸内細菌叢の障害は、過敏性腸症候群の発症に関係があります。その一方で、プロバイオティクス(特定の食品に含まれる生きた健康微生物)は、過敏性腸症候群の症状改善に役立ちます。
  • 心臓の健康 – 健康な腸内細菌は、心臓を保護するHDL(善玉)コレステロールを高めますが、悪玉菌は心臓病を引き起こす動脈損傷化合物を生成する可能性があります。

油物などの脂っこい食べ物は、腸内の悪玉菌を増やし、善玉菌を減らすので、腸内細菌叢を損傷する恐れがあります。そのため、体重増加やガン、心臓病、糖尿病、パーキンソン病などの慢性疾患と関連している可能性があります。

  1. 体重増加、肥満
    多くの油を使った揚げ物などの油物は、カロリーが高いため、体重増加や肥満の原因になります。例えば、100gのベイクドポテトなら、0.1gの脂肪分と93カロリーですが、100gのフライドポテトだと15gの脂肪分と312カロリーになります。

    肥満は、心臓病、糖尿病、脳卒中、特定のガンなど、多くの疾患と関連しています。

    特に、トランス脂肪の摂取量が多いと体重が増えます。動物実験では、総摂取カロリーが少なくても、トランス脂肪を摂取していると体重が増加するという結果が出ています。

    トランス脂肪は、常温でも固まった状態を維持できるように化学的に変化させた植物油のことです。トランス脂肪の使用に関しては、様々な規制があるにも関わらず、揚げ物や食品を加工する際に半固形植物油などを使用しているため、多くの脂っこい食べ物にトランス脂肪が含まれています。

Photo by Laura Tancredi from Pexels

  1. 心臓病や脳卒中の危険性
    脂っこい食べ物は、心臓の健康に良くありません。例えば、揚げ物は血圧を上げ、HDL(善玉)コレステローを下げ、体重増加及び肥満を引き起こします。これらは全て、心臓病に関係しています。また、心臓病のリスクは揚げ物を食べる頻度に関係している可能性があります。

    ある研究は、魚のフライを週1回食べた女性は、魚のフライを月1~3回食べた女性よりも心不全の危険性が48%も高くなったと報告しています。さらに、別の研究では、魚のフライを週2回以上食べた人は、魚のフライを月1回以下食べた人よりも、心臓発作や脳卒中の危険性が63%も高くなったとの結果が出ました。
  2. 糖尿病の危険性
    脂っこい食べ物は、2型糖尿病の危険性を高める可能性があります。ファーストフードなどは、脂肪分が多いだけでなく、よくソーダなどの甘味料の入った飲み物と一緒に食するため、カロリーと糖分の摂取量が高く、体重増加、血糖値の制御不全や炎症増加に繋がります。これらは全て、2型糖尿病とメタボリック症候群のリスクを高めます。

    ある研究では、ファーストフードを週2回以上食べた人は、週1回未満しか食べなかった人と比べて、糖尿病の前兆となるインスリン抵抗性を発症させる可能性が2倍にもなりました。
  3. ニキビ、吹き出物
    脂っこい食べ物を食べた後、ニキビや吹き出物が酷くなったことのある人は少なからずいると思います。研究では、脂っこい食べ物だけでなく、精製炭水化物を多く含む、ファーストフードなどの洋食とニキビに関係があることが分かりました。

    残念ながら、脂っこい食べ物がニキビや吹き出物を引き起こす明確な仕組みは、まだ解明されていません。しかし、一部の研究者は、良質な栄養素の乏しい食事が、遺伝子発現に影響し、ホルモンレベルを変化させるため、ニキビや吹き出物が増えると主張しています。

    また、オメガ3脂肪酸よりもオメガ6を多く含む洋食は、炎症を増加させるので、それに伴いニキビが増える可能性があります。

    また、ドーナッツなどの、精製炭水化物と糖分の多い食べ物は、アンドロゲンやインスリン様成長因子1(IGF-1)などの特定のホルモンの分泌を促進するため、皮膚細胞と皮膚油の分泌が増え、ニキビに繋がる可能性があります。
  4. 脳機能の損傷
    ニキビと同様に、まだこれから多くの研究が必要になりますが、脂っこい食べ物は、脳機能に損傷を与える可能性のあることが分かりました。脂っこい食べ物に関連した体重増加、高血圧、メタボリック症候群などは、脳の構造、組織、活動の損傷と関係があります。

    18000人以上を対象にした大規模な研究では、脂っこい食べ物と揚げ物を多く含む食事が、学習能力と記憶力の低下や炎症の増加と関連していることが明らかになりました。さらに、トランス脂肪を多く含む食事は、脳機能障害にも繋がることが報告されました。

    成人1000人以上を対象とした研究では、トランス脂肪を毎日摂取した人は、単語が思い出せないなどの記憶障害の症状を示しました。また、別の研究では、飽和脂肪とトランス脂肪の摂取量が多いと、空間認識能力や語彙記憶能力、語彙認識能力が低下する可能性のあることが分かりました。

Photo by Denis Agati on Unsplash

対処法

油物や脂っこい食べ物は大好きだけど、健康にも気をつけたい。そんな方には、次のような対処法はいかがでしょうか。完全に油物を断つことは難しくても、摂取する油の量を減らすことは案外簡単にできます。

料理方法を変える
揚げ物や油を多く使った炒め物などの代わりに、オーブンで焼いたり、エアフライヤーやノンフライヤー、ノンスティック加工のフライパンを使ったり、蒸したり、魚焼きグリルでグリルすると油を使わずに料理出来ます。

油物の代わりにより健康的な食べ物をメニューに入れる
油物や脂っこい食べ物を、より健康的な食べ方や食品に置き換えましょう。下記は、北米で一般的に使われている油物の量を減らす食べ方や食べ物の例です。参考にしてください。

  • ハンバーガー
    ファーストフードのハンバーガーではなく、自宅でハンバーガーを作りましょう。脂肪分の少ない牛ひき肉で作ったパテをノンスティック加工のフライパンで焼いて、レタス、トマトと全粒粉のバンズで作れば、ファーストフードで食べるよりもずっと少ない油の量で美味しいハンバーガーが食べられます。
  • フライドポテト
    油で揚げる代わりに、ポテトに大さじ1~2杯のオリーブ油を混ぜてオーブンで焼けばヘルシーなオーブンフライドポテトの出来上がりです。
  • フィッシュアンドチップス
    ソテーした魚にオーブンフライドポテトを添えれば、ヘルシーなフィッシュアンドチップスが出来上がります。
  • 鶏のから揚げ
    鶏は油で揚げずに、フライドポテトと同様にオーブンで焼いたり、魚焼きグリルで焼いたりしても美味しく食べられます。
  • ドーナッツ
    油で揚げたドーナッツの代わりに、フルーツやナッツの入った全粒粉マフィンなどはいかがでしょうか。

まとめ

油物や脂っこい食べ物が、様々な悪い影響を身体に与えることが分かりました。しかし、大好きな食べ物を完全に断ってしまうと、ストレス増加に繋がってしまいます。病気疾患などで医師から即刻油断ちしないといけないと指示された場合は別ですが、そうでなければ、上記の事を念頭に置いて、健康的なライフスタイルを構築し、無理せず、出来る範囲で油物の摂取量を減らす工夫をしていけば、ストレスなく健康的な食事ができるでしょう。

参考元:healthlineTIME

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