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はじめまして、フェムケアコンシェルジュの木川誠子です。これから月1回のペースでフェムケアにまつわるコラムを執筆していきます。よろしくお願いいたします。
2020年は日本におけるフェムテック元年
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ここ数年でフェムテック、フェムケアという言葉が広まり、デリケートゾーンをケアする習慣が広がってきています。改めてフェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語。生理や妊娠、更年期など、女性の健康課題に対してテクノロジーを用いて解決へと導く製品やサービスのことを指します。テクノロジーを用いていない製品やサービスはフェムケアと呼ばれます。ビジネス用語として誕生した用語ですが、日本ではムーブメントも含めてフェムテックを用いることがあります。
日本におけるフェムテックの始まりは2020年。フェムテック元年と呼ばれる年です。同年には、『自民党フェムテック振興議員連盟』が立ち上がります。そして、その翌年2021年には、フェムテックが『流行語大賞』にノミネートされ、大手企業が参入し始めたことで認知が広がり始めました。その中で、デリケートゾーンをケアするアイテムに出会った人も多いのではないのでしょうか。
まさに、デリケートゾーンのケアアイテムはフェムケアを代表する製品です。顔や身体と同じように、デリケートゾーンをケアするために、数多くの専用アイテムが誕生しています。そんな中で、「なぜ、デリケートゾーンをケアする必要があるの?」「何を使えばいいの?」と疑問を持つこともあると思います。私のところにも、さまざまな悩みや相談が届きます。
肌環境を整えるサポートとしてケアをする
一般的にデリケートゾーンと呼ばれる場所は、外陰部のことです。VIO脱毛を想像してみてください。Vゾーンは恥丘(ちきゅう)周辺、Iゾーンは大陰唇や小陰唇周辺、Oゾーンは肛門まわりを指します。その場所が外陰部であり、近年ではデリケートゾーンと呼ばれ、エリアの名称として使われています。
デリケートゾーンには、顔や身体と同じように常在菌が存在しており、いい菌と悪い菌がバランスを取りながら肌環境を健やかな状態に保ってくれています。ですが、下着による擦れなどの外的刺激やストレスなどで菌バランスが崩れてしまうと、かゆみやニオイなどのトラブルが引き起こるほか、顔や身体と同じように皮膚が乾燥する場合もあります。
さらに、デリケートゾーンには尿道口や肛門といった排せつ器官もあるため、場合によっては悪い菌が繁殖しやすくなってしまいます。だからこそ、洗浄して清潔さを保つことが大切です!
デリケートゾーンケアに大切な3つのこと
1.専用アイテムを使うこと
ボディソープでデリケートゾーンを洗って、しみた経験はありませんか?それは、ボディソープはアルカリ性の性質を持っているからです。
デリケートゾーンの皮膚のpH値は3.8~4.5とされています。弱酸性と言われる顔のpH値が4.5~6.0なので、デリケートゾーンのほうがもっと弱酸性の状態。アルカリ性の性質を持つボディソープで洗うのは好ましくないことがわかります。
つまり、全身のどのパーツよりも弱酸性であるデリケートゾーンに、適したアイテムを取り入れることが重要!近年は、デリケートゾーンにも取り入れられるボディソープが登場していますが、ポイントは、“デリケートゾーン基準で作られていること”。専用アイテムだとより安心して取り入れることができますし、ボディと一緒に洗いたいという場合は、デリケートゾーン基準で作られたボディソープを選択してください。
2.清潔さを保つこと
先ほどもお伝えしたように、外的要因やストレスなどで菌バランスが崩れると、デリケートゾーンのトラブルにつながります。また、デリケートゾーンの構造上、大陰唇と小陰唇のキワには恥垢(ちこう)と呼ばれる、尿やおりもの、皮脂、汗などが混ざり合った垢が溜まりやすくなります。恥垢はニオイやかゆみの原因にもなりますので、きちんと洗うことが大切です。
ただし、ゴシゴシと洗いすぎないように気を付けてください。デリケートゾーン用のウォッシュはしっかり泡を立てて(あらかじめ泡で出てくるタイプもあります)、泡を転がすイメージで優しく洗うのがポイント。洗う際は、爪でひっかくことがないように、指の腹を使いましょう。
もし、出張や旅行先などで専用のウォッシュがない場合は、シャワーを直接あてながら、指の腹でキワをなでるように洗うのがベター。専用のウォッシュがないからと、ボディソープを使うのは避けてくださいね。
3.保湿をすること
洗顔後には肌を乾燥させないために、化粧水や美容液などを取り入れていると思います。デリケートゾーンも同じです。デリケートゾーン専用のローションやセラム、オイルなどを用いて保湿してください。
中には、ホワイトニング効果があるタイプなど、保湿アイテムのラインナップは充実しています。自分の肌に合うことを前提に、目的にあわせて取り入れるのもおすすめです。
(プロフィール)
フェムケアコンシェルジュ 木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には『株式会社k company』を設立し、その実践の場を創造・提供。また、10年以上の取材による知見と3000個以上のフェムケア製品を試した経験を活かしてメディア出演やセミナー講師など、多岐に渡って活動中。https://kcmpny.com/