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ここ数年で急激に普及し始め、世界各国のセレブ達をはじめ、多くの人たちが関心を寄せているCBD製品。あなたの周りでもCBDという言葉を聞いたり、見たりしたことがあるかもしれません。CBDとは何なのか知りたい、人気の理由はなんだろう、興味はあるけど良く知らないから不安などCBDを初めて試す、試してみたい、興味があると感じている方のために、CBDとは何なのか、現時点で明らかになっている効能、副作用のリスク、初心者向けの使用方法、日本での合法性などのCBDに関する詳細を研究結果と共にご紹介したいと思います。
CBDにはストレス緩和、不安の軽減、不眠の改善、抗酸化・抗炎症作用、アンチエイジングまで様々な効果が期待されています。EU初のCBD上場企業「ヘンプリーバランス(Hemply Balance)」が開発した、スイス産オーガニックヘンプ抽出の高品質CBD製品はこちらから購入できます。
カンナビノイドとは大麻植物に含まれている化学物質の総称です。
大麻植物には何百もの化学物質が含まれています。現在判明している化学物質の数は100を超え、これらの総称として「カンナビノイド」と呼ばれています。大麻植物に由来するカンナビノイドは、植物性カンナビノイドと呼ばれることもあります。ヘンプやマリファナを含む大麻植物に一番多く含まれる成分は、テトラヒドロカンナビノール(THC)で、その次に多く含まれているカンナビジオール(CBD)は、大麻植物の抽出液の約40%を占めています。テトラヒドロカンナビノール(THC)の含有量が0.3%以下の大麻植物は産業ヘンプと呼ばれ、産業ヘンプはアメリカで2018年に合法となりました。ヘンプは、CBDなどのカンナビノイド抽出以外にも、衣類、パッケージ、バイオ燃料、建築資材、紙など100%分解性の環境にやさしい製品の原料として世界中で使われています。
現在のところカンナビノイドは次のようなサブカテゴリーに分類されています。
- テトラヒドロカンナビノール(THC)
- カンナビジオール(CBD)
- カンナビゲロール(CBG)
- カンナビクロメン(CBC)
- カンナビノール(CBN)
- カンナビノジオール(CBDL)
- カンナビシクロル(CBL)
- カンナビエソイン(CBE)
- カンナビトリオール(CBT)
- その他
カンナビジオール(CBD)とはカンナビノイドの一種で様々な効能があります。
では、大麻植物で2番目に多く含まれているCBDとはどのような成分なのでしょうか。大麻植物にはインディカとサティバの2種類があり、マリファナにはインディカとサティバの両方がありますが、ヘンプはサティバにのみ由来します。CBDは、マリファナにもヘンプにも含まれています。違法薬物であるTHCとは異なり、CBDには陶酔感を引き起こしたりする向精神作用はありません。THCは私たちの脳にもたらす向精神作用で知られていますが、CBDは抗けいれん、抗うつ、鎮痛、睡眠促進、中毒症状軽減、関節炎、ストレス緩和、不安緩和、にきび解消、パーキンソン病の症状緩和、吐き気と嘔吐軽減など様々な効能が示唆されています。
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現在までの研究で次のような効能が科学的に裏付けられています。
小児てんかん症候群
ドラベ症候群・レノックス・ガストー症候群(LGS)などの、抗けいれん薬に反応しない最も過酷な小児てんかん症候群の治療に有効だと多くの研究で報告されています。CBDは発作の数を減らし、場合によっては完全に発作を止めることができます。結果は様々ですが、複数の臨床試験でほとんどの被験者が発作の頻度が約44%減ったと報告しました。CBDを含むEpidiolexは、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって2018年に承認された最初の大麻由来の薬です。
不安神経症
不安神経症の研究と臨床試験は、CBDが不安神経症を軽減できると報告しています。300mgのCBDを摂取してもらい、人前で話すシミュレーションする実験では、57人の健康な男性の不安を大幅に軽減しました。しかし、150mgと600mgのCBD投与量は、男性の不安レベルに何も変化を起こしませんでした。72人の不安症に悩む被験者を対象とした研究では、79.2%がCBDの投与開始後1か月以内に不安症レベルの減少を報告しました。これらの研究からCBDには不安を和らげる作用のあることが分かりましたが、それに最適な摂取量はまだ判明していません。
うつ病
動物実験では、うつ病の緩和にCBDが効果的だと示唆されています。これは、急性または反復投与後の強力な抗ストレス効果に関連している可能性があります。ある動物研究では、CBDが脳内のセロトニンにプラス効果を与えることが報告されており、セロトニン値は気分だけでなく痛みに関しても重要な役割を果たすと考えられています。
不眠症
研究によると、CBDは眠りにつくことと眠り続けることの両方に役立つことが報告されています。不安やがん関連以外の慢性疼痛などの症状でCBDを服用している人の31%が睡眠の改善を報告しました。72人の被験者を使ったケーススタディでは、66.7%の患者が最初の1か月以内に睡眠スコアの改善を報告しましたが、その効果は時間とともに変動しました。不安症やうつ病の患者に300㎎のCBDを投与する実験では、CBDが睡眠構造を維持し、睡眠の質に悪影響を与える可能性が低いと示されました。
慢性疼痛と炎症
動物実験では、CBDには抗炎症作用がありエンドカンナビノイドと痛みを感知するシステムに作用して痛みを和らげることが示されています。ある動物研究はCBDを皮膚に塗布すると関節炎による痛みと炎症を軽減するのに役立つ可能性を示唆しています。他の研究では、治療が難しい炎症性および神経障害性の痛みをどのように抑えるかを特定しています。しかし、CBDの鎮痛作用を立証するにはさらに多くの人を対象とした研究が必要で、現在までに行われている実験では鎮痛作用にCBDだけでなくTHCと組み合わせたものを使用しています。特にカナダ保険省は、多発性硬化症における中枢神経関連の痛みと、オピオイド療法が効かない癌性疼痛の緩和にTHCとCBDを1:1で含む併用薬を承認しました。また、CBDだけを使った治療の観察研究では、がん関連以外の痛みの改善が報告されましたが、がん関連の痛みや神経学的症状の痛みには特に目立った改善は確認されませんでした。ある動物研究では、CBDが脳内のセロトニンにプラス効果を与えることが報告されており、セロトニン値は気分だけでなく痛みに関しても重要な役割を果たすと考えられています。人と動物を対象とした他の研究では、CBDに抗炎症作用があることを示し、これにより痛みも和らげる可能性があります。
中毒
人間を対象にした複数の研究によると、CBDは特定の条件下でタバコとヘロインへの渇望や中毒症状を緩和することが報告されています。動物研究では、アルコール、大麻、アヘン剤、覚せい剤への渇望を和らげる可能性があることを示唆しています。
にきび
実験室での研究で、CBDは抗炎症作用に加えて皮膚の過剰な皮脂生成を防ぎ、炎症性サイトカインの活性化を防ぎます。過剰な皮脂と炎症はにきびの特徴でもあり、CBDを皮膚に塗布することで、にきびに対して効果的な治療法となります。また別の研究では、にきびの発生を予防したり軽減したりする可能性も示唆されています。
パーキンソン病
複数の小規模な研究でパーキンソン病の症状を緩和するためにCBDを使用し実験したところ、ほとんどのケースで有望な結果が得られました。被験者たちの運動関連の結果に大きな変化は現れませんでしたが、1日当たり300㎎のCBDを摂取したグループは、パーキンソン病質問票で測定したところ、生活の質と心身の幸福が大幅に改善されました。
私たちの体内にはカンナビノイドと作用するエンドカンナビノイド系が存在します。
1990年代に発見されたエンドカンナビノイド系(ECS)は、人体の主要なシステムの1つで、以下を含む主要な生理学的プロセスを調節することにより、私たちの健康に計り知れない影響を及ぼします。
- 気分
- ストレス
- 代謝
- 脳機能
- 免疫機能
- 痛み
- 睡眠
エンドカンナビノイド系(ECS)の主な役割は、ホメオスタシスと呼ばれる体内バランスを維持することです。ストレス、怪我、病気などで体内のバランスが崩れると、ECSが活発化し、状態を正常に戻そうとします。例えば、炎症は私たちに備わっている防御システムで、炎症反応は体が有害物質として認識するものを排除し、損傷した組織を取り除き、治癒できる状態に整えます。しかし、過剰な炎症は反対に体に悪影響を及ぼし、慢性疾患の原因となる可能性があります。ECSは、炎症や他のプロセスが適切なレベルで機能し続けるように調整し、心身の健康全体を維持するのに役立ちます。ECSは次のような様々なプロセスに影響を与えます。
- 代謝、食欲、消化
- 気分、ストレス、感情
- 記憶、学習、神経発達、その他の脳機能
- 炎症、その他の免疫系機能
- 心臓血管系の機能
- 肝機能
- 痛みの知覚
- 睡眠
- 皮膚機能
- 熱発生と体温
カンナビノイドは私たちの体内でも生成されています。
カンナビノイドは、カンナビノイド系にあるカンナビノイド受容体と結合し、活性化する化学物質です。大麻植物に含まれるカンナビノイドとは別に、私たちの体内でもエンドカンナビノイドと呼ばれる独自のカンナビノイドを生成しています。主なエンドカンナビノイドは、アナンダミドと2-アラキドノグリセロール(2-AG)と呼ばれます。
カンナビノイドはカンナビノイド受容体に作用します。
現在のところ、カンナビノイド受容体CB1、CB2、そしてGPR55などのECSの一部として認識される可能性のある他の受容体があります。アナンダミドと2-AGなどのエンドカンナビノイドは、これらのカンナビノイド受容体と結合し、不安や痛みの知覚など様々な生物学的反応に影響を与えます。カンナビノイド受容体は、脳、脊髄、皮膚、免疫細胞、骨、脂肪、肝臓、すい臓、筋肉、心臓、血管、腎臓、消化器官などすべての主な体組織に存在します。しかし、CB1受容体は特に脳や中枢神経系に多く存在し、CB2は免疫系の細胞や組織に多く存在しています。
CBDはカンナビノイド受容体をサポートします。
THCとは異なり、CBDはカンナビノイド受容体と直接結合するわけではなく、エンドカンナビノイドであるアナンダミドを分解する酵素、FAAHの活性を抑えます。これにより、アナンダミド値が高度に保たれるため、統合失調症患者に対する抗精神病薬効果など有望な効能が期待されています。また、他の研究によるとCBDはCB1受容体の機能を変化させるため、THCの陶酔効果を打ち消す可能性があります。また、エンドカンナビノイド系内に存在するであろう他の受容体と相互作用する可能性も示唆されています。
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CBDには次のような副作用と危険性があります。
CBDの副作用には、吐き気、倦怠感、イライラなどがあります。CBDは、抗凝血値や血中にある薬と競合しそれらを分解する肝臓酵素を取り合う可能性があります。これは、「グレープフルーツ警告」の効果と似ています。大量のCBDを服用している人は、アセトアミノフェンなどと同様に肝臓関連の血液検査で異常を示すことがありますので、CBDを使用している場合は医師に知らせておく必要があります。
CBDの危険性は、CBDは現在医薬品としてではなくサプリメントとして販売されていることです。FDAはサプリメントの安全性と純度を規制していないので、製品のラベルに書かれた通りの用量の有効成分が含まれていることを確認できません。さらに、製品のラベル通りの成分が含まれているかどうかなどの品質が規制されていないため、ラベルには書かれてない成分が含まれている可能性があります。
各症状や疾患に効果的な用量が分からないので、必ず少量から始めます。また、常用薬や頻用薬がある人、慢性疾患を患っている人は事前に医師や薬剤師に相談してください。舌下摂取やカプセル、グミなど経口摂取ではなく、皮膚に塗布する場合は最初の肝臓代謝プロセスを飛ばして血流に流れ込むため、肝臓への負担は少なくなります。ただ、大量に塗布するとCBDが肝臓によって代謝されます。
CBDはアメリカをはじめ日本を含む複数国で合法です。
CBDには、脳に影響を与え高揚感や陶酔感など「ハイ」な状態にする向精神作用が無いため、THC(テトラヒドロカンナビノール)のような日本で禁止されている薬物ではありません。欧米では0.2~0.3%までのTHC含有量は産業ヘンプと見なされ、アメリカでは2018年に産業ヘンプの合法化が認められました。他にも、医師によるCBD処方薬は現在Epidiolexというてんかんに効くCBD薬が食品医薬品局(FDA)により認可されています。その他にも合成CBDとTHCの処方薬、nabilone、dronabinolなどがFDAにより認証されており、合成CBDとTHCの混合薬であるSativexは、アメリカでは現在治験中ですが、カナダやヨーロッパではすでに認可されています。日本では完全に検知不可能なゼロTHC製品のみが厚生労働省の審査・認可を受け、日本に輸入されています。
自分のライフスタイル、症状などにあったCBD製品を選びましょう。
CBDは、オイル、抽出物、カプセル、パッチ、べイプ、ティンクチャー、クリーム、ローションなど様々な形態で製造・販売されています。炎症を軽減し、筋肉や関節の痛みを和らげたい場合は、CBDを注入した皮膚に塗れるオイル、ローション、クリーム、バスボムなどがあります。また、CBDパッチやティンクチャー、舌下に散布するスプレータイプなどCBDが血流に直接吸収されるタイプの製品もあります。ストレス緩和や不眠などCBDを使用して解消したいと思う症状に合わせて製品のタイプを選びましょう。筋肉や関節の痛みにはローションやクリームもありますが、ストレス緩和や不眠改善として経口摂取できるだけでなく皮膚にも塗布できるCBDオイルが初心者には使いやすいと思います。
CBD製品の種類と選び方に関してはこちらの記事をご参照ください。
CBD製品には100%CBDのみの製品とブロードスペクトラムと呼ばれる製品が日本で販売されています。ブロードスペクトラムとはCBD以外のCBGなどのカンナビノイドやテルペンなど有益な成分を残したままTHCのみを排除した製品で、100%CBDに比べると、他の有効成分との相乗効果「アントラージュ効果」が期待できるため、可能であればブロードスペクトラムの方が良いでしょう。ただ、CBD以外の成分にアレルギー反応を起こす人もいますので、使用する際は医師に相談するか、肌の柔らかい部分に少し塗布して痒みや腫れなどの反応がでるかどうかを服用前に確認してください。
100%CBDとブロードスペクトラムの違いに関してはこちらの記事をご参照ください。
摂取量はブランドによって異なりますので、必ず使用上の注意をよく読み、一日の最大摂取量を超えないように注意しましょう。最初は1滴から始め、効果が表れるまで待ちます。経口摂取の場合、その効果を感じるまでに1~5時間かかりますが、舌下摂取だと数秒~15分以内に効果が表れます。
CBDの摂取方法と効果が表れる時間に関してはこちらの記事をご参照ください。
まとめ
近年人気のCBD製品は、違法薬物であるTHCとは異なり、産業ヘンプから抽出された脳に影響を与える向精神作用の無い合法成分です。日本に輸入されている製品は、日本政府機関の厳しい審査を受け許可されたものですのでTHCは全く入っていません。個人輸入の場合は、メーカーから必要書類を取り寄せることになりますが、必ずフェイスブックやフォーラムなどでそのメーカー、ブランド、製品の評判を確認し、極力評判が良く、信用できるブランド製品を購入してください。正規機関による品質管理のガイドラインや規制が無いため、ラベルや成分分析表に書かれているものと実際にボトルに入っている成分とが異なる場合も多々ありますので十分気を付けてください。
品質の良いCBD製品の見分け方に関してはこちらの記事をご参照ください。
CBDに関する研究はまだ初期段階で、人を対象とした研究も猛スピードで進められていますが、まだまだデータが足りません。しかし、現在までに報告されている研究データでは、有望な効能が多く、副作用も持病や常用薬がなければほとんどなく安全で、ストレス管理や健康全般のために気軽に使えるサプリメントだと思います。また、就寝前のリラックスタイムやリラックスヨガ・瞑想などのルーティンに加えるとより効果的です。
全く初めてという方は、CBD含有量の一番低いものから試してみてはいかがでしょうか。
CBDにはストレス緩和、リラックス・抗酸化・抗炎症作用、アンチエイジングまで様々な効能が期待されています。EUで初めて株式上場したCBDブランド「ヘンプリーバランス」が日本初上陸!世界有数の有機ヘンプ生産国の1つであるスイス産有機ヘンプを使用した、ナチュラルでビーガンなCBDはこちらの公式サイトからから購入できます。
LIFE ACTIVATIONでは、お家で気軽にできるヨガやエクササイズの動画を配信しています。→動画チャンネルはこちらからどうぞ。
参考元:AVIDA、AMY MYERS MD、CBD NERDS、Drugs.com、healthline、Harvard Medical School Harvard Health Publishing、Hempure、Mayo Clinic