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カロリー摂取量が体重の増減に大きく関わっているということは、ダイエットを一度でも試そうと考えたことのある人ならご存知だと思います。カロリーとは、食べ物や人間の身体の組織に蓄えられているエネルギー量を表す単位です。大抵の場合、「減量ダイエット」と言うと、カロリー摂取量を少なくして体内に蓄えられているエネルギーを消費するか、運動をしてカロリー摂取量よりも多くのエネルギーを消費することを目標としています。
ダイエットでカロリー摂取量に気をつける時は、「低カロリー食品(low-calorie foods)」を中心に食事のメニューを決めることが多くなると思います。そのため、「低カロリー」と謳った食品や飲料水が多く販売されるようになり、低カロリー食品は私たちの生活に欠かせないものとなりました。しかし、ここ数年で耳にするようになった「マイナスカロリー食品(negative-calorie foods)」というのをご存知でしょうか。英語では「ネガティブ」ですが、食べるとカロリーが「マイナス」になる、つまり食べればその分カロリーを消費して、減量に役立つ食品のことを意味します。
今日は、どのような食品がマイナスカロリー食品と言われているのか、本当に減量に役立つのかなどを検証してみたいと思います。
マイナスカロリー食品とは
マイナスカロリー食品とは、その食品を咀嚼、消化、処理するのに、食品自体に含まれるカロリー量よりも多くのカロリーを必要とする食品のことを指します。そのような食品は、摂取するカロリー量よりも消化処理で消費するカロリー量の方が多くなるため、体重を減らすことができるという理論に繋がります。
マイナスカロリー食品と言われているものは一般的に、水分を多く含む果物や野菜です。特に次のような食品がマイナスカロリー食品だと言われています。
- キュウリ:1カップ(50g)=8カロリー、水分95%。
- グレープフルーツ:1カップ(230g)=69カロリー、水分92%。
- スイカ:1カップ(150g)=46カロリー、水分91%。
- セロリ:1カップ(100g)=14カロリー、水分95%。
- トマト:1カップ(180g)=32カロリー、水分94%。
- ブロッコリー:1カップ(90g)=31カロリー、水分90%。
- リンゴ:1カップ(110g)=53カロリー、水分86%。
- レタス:1カップ(35g)=5カロリー、水分95%。
- 人参:1カップ(130g)=52カロリー、水分88%。
この他にも、レモン、キャベツ、ベリー類、ズッキーニなどが含まれます。どれだけ水分が多くても、カロリーがあるので、問題は消化処理にこれ以上のカロリーを消費できるかどうかがカギとなります。
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マイナスカロリー食品は本当に存在するのか?
それでは、食べ物を食べてから消化に必要なカロリー量を見てみましょう。
食べ物の咀嚼に必要なエネルギー量
咀嚼時に必要なエネルギー量が上記の食品のカロリー量を超えると考えている人もいると思います。ある研究では、チューインガムを噛む時に身体が消費するエネルギー量は1時間あたり約11カロリーだと分かりました。したがって、セロリや果物を数分間咀嚼するだけでは、消費するエネルギー量は極微量となります。
食べ物の消化に必要なエネルギー量
食べ物を消化する際、身体がエネルギーを消費するのは事実ですが、その量は食品に含まれるカロリーよりも少ないのです。食物を消化するために必要とされるエネルギー量は通常、炭水化物、脂肪、タンパク質と三大栄養素別に計算され、摂取するカロリー量の何パーセントとして表します。例えば、炭水化物の消化に必要なエネルギーは、食品に含まれるカロリーの約5~10%、脂肪は約0~5%、タンパク質は20~30%です。マイナスカロリー食品と言われる食べ物は主に水と炭水化物で、脂肪やタンパク質はほとんど含まれていません。このことからも、消化に必要なエネルギー量が消化する食べ物のカロリー量を超えることはほぼ無いと考えられます。
カロリーゼロ食品
それでは、カロリーゼロ食品ならどうでしょうか?冷たい水などのカロリーゼロ食品は、新陳代謝を促進することがありますが、代謝の増加は微量で、1時間で約3~24カロリーほどです。咀嚼と同様に、冷たい水を飲めばカロリーは消費されますが、その量は非常に少ないため、期待するようなカロリー消費量にはなりません。
結局のところ上記を考慮すると、これらの食品が栄養価の高いものだとしても、マイナスカロリー食品である可能性は低く、食べ物を消化処理するために必要なエネルギー量が食品に含まれているカロリー量を超えるという考えを支持する証拠にはならないと考えられます。
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減量するなら低カロリー食品で
本当の意味でのマイナスカロリー食品が存在しなくても、栄養価が高くて低カロリーな食品は多くあります。その上、低カロリーで水分が多いということは、お腹いっぱい食べてもそれほど多くのカロリー摂取にはなりません。
前述の食品だけでなく、次の食品も特にカロリーが少なくダイエットに最適です。
低カロリー野菜・果物
ルッコラ:1カップ(20g)=5カロリー
ルッコラはピリッとコショウのような風味の濃緑野菜です。サラダによく使われ、ビタミンK、葉酸、カルシウム、カリウムが豊富です。
アスパラガス:1カップ(180g)=38カロリー
アスパラガスにはグリーン、ホワイト、パープルなどの種類がありますが、全てのアスパラガスに様々なビタミンやミネラル、抗酸化物質や抗炎症性植物化合物が含まれています。
ビート:1カップ(170g)=74カロリー
ビートは赤やオレンジの鮮やかな色をした根菜で、葉酸、マンガン、心臓の健康に役立つベタレイン、フェノール化合物などの食物栄養素を豊富に含んでいます。
芽キャベツ:1カップ(155g)=70カロリー
そのまま生でも料理しても食べられ、ブロッコリーと同様にビタミンCが豊富です。
キャベツ:1カップ(89g)=22カロリー
キャベツは、サラダやコールスロー、野菜炒めなどにも使われます。様々なビタミンとミネラルが豊富で栄養価の高い野菜です。
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カリフラワー:1カップ(155g)=40カロリー
カリフラワーは白色のものが一般的ですが、最近ではグリーン、オレンジ、パープル、イエローなど異なる色のカリフラワーがあります。近年では、カリフラワー「ライス」やカリフラワー「ピザ生地」など、穀類や高炭水化物野菜の代わりになるカリフラワー製品が多く販売されるようになりました。
ふだん草(スイスチャード):1カップ(36g)=7カロリー
ふだん草は、骨の健康と、正常な血液凝固作用に必要なビタミンKを豊富に含みます。
クレメンタイン:1カップ(74g)=35カロリー
小さくて甘いミカンとオレンジの間のようなクレメンタインはビタミンCがとても豊富に含まれています。
ヒカマ:1カップ(130g)=49カロリー
メキシコ原産のヒカマは、ジャガイモに似た塊茎野菜で、生で食べることができ、シャキシャキとしたリンゴに似た食感があります。食物繊維、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれています。
ケール:1カップ(130g)=49カロリー
ケールは濃緑野菜でサラダやスムージーなど様々な方法で食べることができます。非常に栄養価が高く、特にプロビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、マンガン、銅が豊富です。
ホワイトマッシュルーム:1カップ(156g)=44カロリー
マッシュルームには、ビタミンBやセレニウムなどの重要な栄養素が多く含まれています。
玉ねぎ:1カップ(148g)=70カロリー
玉ねぎは低カロリーで数多くの健康上の利点があります。例えば、ニンニクと同様に玉ねぎは、心臓病や腎臓病など特定の疾患リスクを軽減する可能性があります。
トウガラシ:1カップ(92g)=24カロリー
カラフルなパプリカやピーマンなどトウガラシ科の野菜にはビタミンCやリコピンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
パパイヤ:1カップ(157g)=68カロリー
パパイヤには、数多くのビタミンやミネラルが含まれていますが、特にプロビタミンA、ビタミンC、葉酸、カリウムが豊富です。
大根・ラディッシュ:1カップ(116g)=19カロリー
様々な色や形がありますが、どれも少し辛みがあります。ビタミンC、カリウム、葉酸が豊富に含まれています。
イチゴ:1カップ(166g)=53カロリー
イチゴは甘くて栄養価の高い果物です。いくつかの研究で、イチゴはアルツハイマー認知症や心臓病を予防する効果がある可能性を示唆しています。
ほうれん草:1カップ(30g)=7カロリー
ビタミンやミネラルを豊富に含むほうれん草は、特にビタミンK、プロビタミンA、葉酸を多く含み、目の健康に欠かせないカロテノイドルテインとゼアキサンチンなどの生物活性化合物も含みます。
スナップエンドウ:1カップ(63g)=27カロリー
スナップエンドウにはビタミンCが多く含まれています。
ブルーベリー:1カップ(150g)=84カロリー
ブルーベリーには、ビタミンC、ビタミンK、マンガンが豊富に含まれています。
低カロリータンパク質
サーモン:85g(1人前)=121カロリー
17gのタンパク質と共にオメガ3脂肪酸と多くのビタミンが含まれています。
鶏のむね肉(皮なし):85g(1人前)=110カロリー
22gのタンパク質が含まれています。
無脂肪グリークヨーグルト(プレーン):170g(1人前)=100カロリー
16gのタンパク質が含まれています。
卵:1個=78カロリー
6gのタンパク質と共に多くのビタミン、ミネラル、不飽和脂肪が含まれています。
豚のフィレ肉:85g(1人前)=91カロリー
15gのタンパク質と共にビタミンBやミネラルが含まれています。
ダイエットするなら、栄養価の高いホールフーズ(自然・無添加食品)を選ぶ
栄養価の高いホールフーズを取り入れた食事は、減量だけでなく健康全般にも役立ちます。加工食品よりもホールフーズには、より多くのビタミン、ミネラル、その他の有益な物質が含まれています。これらの食品は健康な生活を促進するだけでなく、あなたの身体が加工食品を消化するよりもより多くのエネルギーを消費する可能性があります。
ある研究では、加工食品の10%のカロリーがその食品を消化するのに消費されたのに対して、ホールフーズは20%のカロリーが消化に消費されたことが分かりました。また、マイナスカロリー食品と言われる食品を含む低カロリーまたはカロリーゼロ食品を中心に食事をすると、健康に必要な栄養素が満遍なく摂取できなくなる可能性があります。食事のカロリーを抑えたいからと言って、タンパク質や脂肪を摂らない食事をしていると健康に悪影響を与えます。
まとめ
摂取するカロリーよりも身体が消化処理に消費するカロリーの方が高くなるという「マイナスカロリー食品」ですが、現在のところ、そんな夢のような食品が存在するのは理論上だけで、実在しないことが分かりました。摂取カロリー量を気にして、カロリーゼロ食品ばかりを食べて栄養のバランスが崩れて体調を悪くするよりも、筋トレや自重トレーニングを取り入れて筋肉のエネルギー消費を促進し、栄養価の高い低カロリー食品やホールフーズ、適量のタンパク質と健康的な脂肪分を取り入れたフレキシタリアンなどの栄養素のバランスが取れた食事をすれば、減量に役立つだけでなく、空腹感やダイエットから生じるストレスが少なく、健康的に痩せるまたは体重を維持することができると思います。運動にしても、食事にしても、無理せずに自分のライフスタイルに合った方法やプランに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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参考元:healthline、healthline、Mayo Clinic
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