カンナビジオール(CBD)は、統合失調症の陽性症状、陰性症状、認知症状の改善に役立つ可能性があるとされています。米国コールドスプリングハーバー研究所は、慢性的なNMDA受容体アンタゴニスト「MK-801」を使用した後に見られる記憶障害が、CBDで改善されるかどうかを調査しました。MK-801を投与した動物では、短期および長期記憶障害が現れ、脳波のガンマ波活動も低下しましたが、CBDを投与することでこれらの変化が逆転しました。
細胞レベルでは、CBDはMK-801が引き起こした、前頭前皮質および腹側海馬でのパルブアルブミン陽性ニューロンとその周囲の構造の減少を改善し、神経保護効果を確認しました。また、MK-801が引き起こした前頭前皮質と腹側海馬でのミクログリア活性化も、CBDによって抑制されました。これらの研究結果は、CBDが統合失調症に類似した状態で影響を受ける複数の経路を調節し、統合失調症の治療において有望な可能性を示唆しています。
ソース元:https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.10.21.619352v1.abstract