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フェムケアコンシェルジュの木川誠子です。フェムケアをテーマに不定期でコラムを執筆しています。今回のテーマは、私がフェムケアと親和性が高いと考えている、CBDという成分についてです。
2024年12月12日に『大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法』の一部を改正する法律の一部が施行されました。この法律については、厚生労働省が発表している内容 を確認していただきたいですが、CBDという成分についてきちんと知ることで、安心して取り入れることにつながると思います。
CBDとはどんな成分?

CBDとは、植物のヘンプなどに含まれる植物性カンナビノイドの一種。主に、天然と化学合成のCBDが存在しています。
●天然のCBD
主にヘンプから抽出されたCBDが使用されています。ヘンプから抽出されていると聞くと「規制されている成分なのでは?」と思われがちですが、規制成分とは構造そのものが異なっているため、CBDは合法成分になります。
●化学合成のCBD
CBD製品の需要が高まるとともに、複数の有機化学物や酵母菌を用いたCBDを配合しているブランドも登場しています。法律で規制されている成分が混入するリスクがないことがメリットです。
そして、CBDにまつわる研究は進められていて、たくさんの可能性があるとされています。例えば、痛みの緩和、睡眠改善、リラックス効果、PMS(生理前症候群)の症状緩和など、多くの効果効能が期待されています。なかでも、恒常性を保つ支えになっていることが知られています。
恒常性とは、生理機能を一定に保つ性質のこと。私たちは、外からも内からもさまざまな影響を受けて、ときには揺らぐこともあります。そのときに自動調整をして適切な状態を保とうとする働きが恒常性です。ですが、あまりにも揺らいでしまうと適切な状態が保ちにくくなり、不調につながっていきます。そうならないために、外からCBDを補うことで恒常性の支えになってくれています。
CBDをキャッチする受容体がある
私たちの体内では、CBDに似た成分が生成されています。その成分は、細胞のいたるところで放出されていて、体内にある受容体がキャッチし、伝達しているとされています。その受容体とは、①精神細胞に多く存在するCB1受容体 ②免疫細胞に多く存在するCB2受容体です。このことから、体内で生成されているCBDに似た成分、外から取り入れたCBDは、精神と免疫に働きかけてくれているといえます。
「体内で生成されているのだから問題ないのでは?」と思うところもあるかもですが、例えば、栄養成分も体内で生成されますが、食事やサプリメントで補っていますよね。それは、CBDも同じ。ストレスや加齢などで不足することが考えられますので、外からしっかりと補うことは大切です。
フェムケアと親和性が高いと考える理由

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導入にも書いたように、CBDはフェムケアと親和性が高いと考えています。その理由は、CBDが恒常性に働きかけているからです。
女性の健康課題は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランス変化に影響を受けています。簡潔にお話しすると、1ヶ月の間にエストロゲンが優位な時期とプロゲステロンが優位な時期があり、どちらが優位であるかで心身の状態が変化しています。特に意識したいのが、プロゲステロンが優位になる時期。いわゆる生理前にあたります。イライラしやすかったり、食欲が増したり、やる気がでなかったり……。このようにPMSの症状が現れるという人も多いのではないでしょうか。まさに揺らいでいる状態です。そんなときに、恒常性に働きかけるCBDを取り入れるのもフェムケアだと思います。
今回の内容はCBDの基本的な部分のみになりますが、それでも心強い成分だと感じているので、私は約5年前から日常的にCBD製品を取り入れています。正しい知識を持つことは、より安心して取り入れることにつながると、身を持って感じています。さまざまな情報を目にすると思いますが、ファクトチェックをしながら、CBDの知識を深めていってください。
(プロフィール)
フェムケアコンシェルジュ 木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には『株式会社k company』を設立し、その実践の場を創造・提供。また、10年以上の取材による知見と3000個以上のフェムケア製品を試した経験を活かしてメディア出演やセミナー講師など、多岐に渡って活動中。https://kcmpny.com/