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アルコールを飲むと、ほどなくして気分が高揚したり、リラックスしたり、気が大きくなったり、色んなことが楽しいと感じたりします。話が弾んで知らず知らずのうちに飲み過ぎてしまうことも少なくありません。そんな日の翌朝は頭痛や吐き気などの二日酔いの症状に見舞われることもあります。その中でも、頭がガンガンと痛くなる二日酔いの症状は一日経てば良くなると分かっていても辛いものです。市販の鎮痛剤の中には肝臓に負担をかけるものもあるので、使用を控えたいと考えている人も多いでしょう。数年前から注目されている大麻植物の抽出物であるカンナビジオール（CBD）の優れた鎮痛作用は二日酔いの頭痛にも効果があることをご存じでしょうか。
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CBDとは
カンナビジオール（CBD）はヘンプや大麻草に100種類以上含まれているカンナビノイドの一種です。カンナビノイドは、人間の体内に存在するエンドカンナビノイドシステムのカンナビノイド受容体に作用したり、結合したりして、エンドカンナビノイドシステムが関与している様々な機能に影響を与えます。CBDには、禁止薬物成分とされるテトラヒドロカンナビノール（THC）のような向精神作用は全くありません。そのため、日本を含む多くの国で販売や摂取が許可されており、世界保健機関（WHO）も安全な成分として認めています。2018年に米国の農業法が改訂され、カナダで大麻が合法化して以来、様々な大麻草成分が研究されてきましたが、他国や米国連邦政府レベルでは大麻草は依然として違法薬物とされているため、なかなか研究が進まないのが現状です。しかし、現時点でCBDには以下のような効能が確認されています。
- 痛みを緩和する（鎮痛作用）
- 吐き気と嘔吐を抑える（制吐作用）
- 発作を抑える（抗けいれん作用）
- 不安や抑うつと闘う（抗不安作用）
- 睡眠を誘導する（睡眠作用）
- 不眠や悪夢を解消する（PTSD治療）
- 神経変性障害を和らげる（抗酸化作用）
- 炎症性疾患を緩和する（抗炎症作用）
- 薬物依存症の治療に役立つ（薬物依存治療）
他にもがん細胞や腫瘍を抑える効果（抗腫瘍作用）、精神病障害を和らげる効果（抗精神病作用）など様々な効果が謳われていますが、これからもっと研究が進めばより多くの効能が明らかになると考えられます。
CBDの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
二日酔いの頭痛はなぜ起こるのか
2016年に行われた研究では、アルコールを摂取した人の中で約一割が片頭痛を誘発することが判明しました。また、2020年の研究では、参加者の９５％がアルコール誘発性の頭痛を経験したことが示されました。これらの研究で、頭痛の原因は明らかにされていませんが、次のような原因が考えられます。
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アルコールに含まれる成分に対する過敏反応
アルコール飲料にはエタノールという化学物質が含まれています。エタノールは、血管拡張作用があるため、体内の血管を広げ、片頭痛を引き起こす可能性があります。特に普段から片頭痛や頭痛持ちの人に当てはまります。コンジナーと呼ばれるアルコールを作る際にできる副産物である化学物質は、片頭痛を引き起こすことがあります。また、アルコール、特に赤ワインに良く含まれているヒスタミンという化合物は血管性頭痛の原因となることが証明されています。コンジナーの含有量やアルコール度数が高くなるほど、二日酔いで頭痛を引き起こす可能性が高くなります。
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民族性と遺伝
エタノールは気分を高揚させる物質ですが、エタノールは肝臓にあるアルコールデヒドロゲナーゼ酵素（ADH）によりアセトアルデヒドに代謝され、その次の段階で別の酵素により酢酸に代謝されます。日本人の約半数は、これらの酵素の活性が高く、飲んでもなかなか酔わないタイプになります。また、これらの酵素に関する変異遺伝子を持っており、この変異遺伝子により有毒なアセトアルデヒドへの変換が促進され、より効果的に行われる一方でアセトアルデヒドから酢酸への変換がはるかに遅くなる人が日本人を含む東アジア系の約三割を占めています。その結果、少量の飲酒でもアセトアルデヒドが体内に過剰に蓄積されることになり、二日酔いになりやすくなります。
性別と体重
2020年の調査によると、女性は男性よりも、アルコールによる二日酔い、記憶障害、肝疾患を経験する可能性が高いことが分かりました。また、体重が軽い人は、体重が重い人ほど多くのアルコールを処理することができません。その結果、血中アルコール濃度が高くなり、二日酔いによる頭痛になりやすくなります。
脱水症状
アルコールを飲むと、腎臓からより多くの水分が排せつされるため、トイレへ行く頻度が増え、脱水症状につながり、少量のアルコール摂取であっても頭痛を引き起こす可能性があります。
炎症
複数の研究により、アルコールが体内で分解されると、大量の炎症性化合物が生成されることが判明しています。また、炎症は片頭痛に関連していると示しています。
二日酔いによる頭痛の種類
頭痛を引き起こすアルコール飲料の種類は明らかになっていませんが、アルコールは片頭痛と群発頭痛を引き起こします。
- 群発頭痛：群発頭痛はまれな症状で、頭の片側だけで目の奥のあたりに起こる激痛、涙、鼻水、鼻づまり、顔や額の腫れなどがあります。痛みは15分から3時間ほど続きます。2021年の研究では、群発頭痛とその重症度が飲酒と喫煙などのライフスタイルと関連付けられています。
- 片頭痛：ズキズキする痛みで、通常頭の片側に起こります。数時間から数日間続くことがあります。また、光や大きな音に対して敏感になり、吐き気や嘔吐を伴う場合があります。片頭痛になりやすい人は、飲酒後30分から3時間以内に片頭痛を引き起こす可能性があります。
アルコールとエンドカンナビノイド
私たちの体内にあるエンドカンナビノイドシステムは、身体機能を実行するように細胞に信号を送ります。アルコールが長期的にこのシステムに影響を与えると、さまざまな悪影響を引き起こす可能性があり、依存症に直接関連する脳の部分にあるカンナビノイド値に短期的に影響を与えます。CBDもアルコールのようにエンドカンナビノイドシステムと作用しますが、アルコールとは異なりプラス効果があります。CBDはエンドカンナビノイド受容体に作用し、体の恒常性の維持をサポートするため、二日酔いの影響を効果的に緩和します。
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二日酔いによる頭痛に対するCBDの効果
飲酒による脱水と炎症は、その翌日に酷い頭痛をもたらすことがあります。CBDが持つ抗炎症作用と弛緩作用により頭の筋肉の緊張や炎症を軽減し、頭痛を和らげます。また、アルコールに含まれる毒素は体の免疫反応を引き起こし、胃や肝臓など体内の炎症を引き起こします。CBDはそれらの炎症を軽減し、アルコール摂取による頭痛やその他の痛みを和らげることができます。また、CBDはエンドカンナビノイドシステムのエンドカンナビノイド受容体に作用することで、抗酸化剤および抗炎症剤として機能します。身体からアセトアルデヒドを除去し、電解質を素早く補充するのに役立ちます。
まとめ
飲酒量に関係なく、二日酔いはさまざまな要因により引き起こされます。飲んでいる時は楽しいけれど、翌朝の二日酔いを考えると憂鬱になりますよね。その中でも音や光に敏感に反応して頭がガンガンと痛む片頭痛系の痛みは前日に飲んでしまったことを後悔してしまうほど辛い症状です。頭痛薬など痛み止めには肝臓に負担を与えるものも多く、アルコールで疲弊している肝臓により多くの負担を与えてしまうことになりかねません。その点、大麻植物から抽出されるカンナビジオール（CBD）は、天然成分で肝臓にもやさしく、テトラヒドロカンナビノール（THC）のような酩酊感を与える向精神作用はありません。その上、鎮痛作用、抗炎症作用だけでなく抗酸化作用や弛緩作用などエンドカンナビノイドシステムが管理する様々な機能に作用して頭痛だけでなく二日酔いの症状全般を緩和してくれます。舌下摂取のCBDオイルは摂取後15分から20分ほどで効果を発揮し、それは6時間ほど続きます。二日酔いの朝に摂取しても良いですが、飲酒前や就寝前に摂取すれば翌日の二日酔いを防いだり、症状を緩和することができるかもしれません。現在までの研究で、二日酔いの予防になるような結果は出ていませんが、エンドカンナビノイドシステムが管理する機能は幅広くホメオスタシス（身体のバランス）を保つ作用があるので、自分で一番効果的だと思う摂取方法や時間を見つけてください。
参考元：Medical News Today、Ria Health、Smithsonian Magazine、The Other Path
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