「膣スチーム」や「子宮スチーム」、「女性器スチーム」という言葉を聞いたことがありますか?最近日本でもフェムケア(膣ケア)が注目され始めているので、実際に試したことがある方もいらっしゃるかもしれません。欧米では2018年頃にセレブの間で流行り始めたのがきっかけですが、膣スチームにはどのような効果があるのでしょう?また、本当に安全なのでしょうか。今日は、膣スチームに関して、専門医の見解なども交えて検証してみたいと思います。
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膣スチームとは
膣や子宮を含む私たちの女性器は、月経、セックス、出産などで日常的に酷使されています。その上、ホルモンの変化や骨盤底筋などの問題が加わると、生理痛、下腹部の痛みや膨満感などでとても快適とは言えない状況になります。
膣スチームは、膣と子宮を清潔にし、生理不順を解消し、生理痛や膨満感を和らげるといわれている古くからある自然療法のひとつです。欧米で広く知られるようになったのは、女優Gwyneth Paltrowのウェブサイト「Goop」で紹介され、瞬く間にセレブ界で広がったことがきっかけでした。
膣スチームの作用
膣スチームという名前の通り、スチーム(蒸気)を膣にあてる施術です。通常、ハーブなどを入れた熱湯の蒸気が女性器(膣)に向くようにその上に座る、またはしゃがみます。北米では高級スパなどで膣スチームを高額で提供しているところがあります。ほとんどの医師が推奨できないといいますが、膣スチームを自宅ですることも可能です。
蒸気の元になる熱湯に入れるハーブは、次のようなものが単独または組み合わせて使われています。
- ヨモギ
- カモミール
- キンセンカ
- バジル
- オレガノ
- ローズマリー
膣スチームを実践している人は、ハーブが膣の細胞組織に浸透し、様々な効果が得られると考えています。スパで行われる施術は通常20分~45分間ほどです。
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期待される効果
膣スチームには多くの健康効果があると考えられており、北米では膣の「顔面マッサージ」とも呼ばれています。膣スチームには以下のような効果が考えられています。
- 腹部の膨満感、生理痛、倦怠感、出血過多などの月経中の症状を緩和する
- 生殖能力を高める
- 産後の回復を促進する
- ストレス解消
- 痔の治療
- 滋養強壮
- 頭痛緩和
- ホルモンバランスを整える
- 気分上昇
- 消化器官を整える
- 痛み緩和
- 性的快感の向上
現在のところ、これらの効能を証明する科学的な研究は行われていません。しかし、膣内細胞組織の血流を促進し、治癒を促す効果があると言われています。
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効果の有無
様々な効能が謳われていますが、これらの効能を証明する科学的根拠はありません。産婦人科医のJen Gunter医師のサイトや、同じく産婦人科医のCharis Chambers医師のサイトのように多くの医師が効能の真偽に疑問を投げかけています。膣は大陰唇に覆われた筒状ですが通常は膣壁がせり出しているため隙間がなく、ペニスなど挿入することはできますが、外から見ると閉じているように見えます。蒸気がこの膣を通ってその先にある固く閉ざされた子宮頚管からさらに奥にある子宮へと入るというのはどう考えても無理があるように思います。また、女性の生理周期と膣の健康に影響を与えるホルモンは、主に卵巣で作られ血液を通って運ばれるため、蒸気や蒸気に混ざっているハーブの成分がどのようにホルモン機能に影響を与えることができるのか不明だと示唆しています。
膣スチームによく使われるハーブは、お灸のもぐさの原料でもあるヨモギです。お灸は、生殖器系の様々な問題を治療するための代替療法として使用されていますが、2010年に行われたレビューによると、妊娠中の逆子の矯正を除き、ヨモギの効果に関する研究結果には矛盾が多く、決定的な結論に至っていないと発表されています。また、膣のお灸に関する研究は全く行われていません。
では、なぜ効果があるという人がいるのでしょうか。効能のいくつかにはそれらの体験談を裏付けると思われる理論があります。
性的快感の向上:
熱と水分が膣とクリトリスへの血流を増加させ敏感になるため、セックスなどでより大きな快感を得る可能性があります。
ストレス解消:
蒸気にハーブを使うことで、アロマテラピーと同じような効果を得る可能性があります。
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安全性
次のような安全性に対する懸念が考えられます。
- 膣やその周りの組織は非常にデリケートで敏感なので、蒸気に触れるだけでも火傷する恐れがある。
- 何か問題があったとき、医師の診断を遅らせ、子宮内膜症や感染症などの根本的な原因が進行性の場合、取り返しのつかない悪影響を与える可能性がある。
- 膣を蒸気に含まれている特定の添加物などにさらす危険性がある。
- 膣に余分な湿気と熱を与えるため、温かく湿気た場所を好む細菌であるイースト菌や細菌感染症のリスクを増加させる。
- 膣スチームは、膣内の微生物が作り出す自然なpH値を壊し、膣炎を引き起こす細菌が繁殖する環境を作ってしまう可能性がある。
- 膣スチーム機器が清潔に保たれていなければ、感染症やその他の副作用の危険がある。
- 蒸気が成長中の胎児に影響を与える可能性があるため妊娠中の女性には危険な場合がある。(同じ理由から、一般的に医師は、妊娠中は骨盤周辺へのホットタブ、サウナ、温熱パッドの使用を控えるように勧めています。)
- 使用するハーブ成分が流産を引き起こす可能性がある。
また、膣スチームに関する医学的なガイドラインはありません。これは代替医療従事者に相談しない限り、どのハーブをどのくらいの頻度で使用するかなどの詳細は自分で試行錯誤するしかないということを意味します。
まとめ
私たち女性の膣は、ハーブを使った蒸気を使わなくても自浄作用があり、膣内は自然に適切なpH環境が整えられています。膣スチームには、温熱パッドのように生理痛緩和やリラックス効果があるように思います。しかし、膣スチームが膣や子宮を清潔にし、生殖能力を高め、ホルモンのバランスを整えるという効果には科学的に証明されていないため疑問を抱きます。膣スチームは、自然に保たれている膣内細菌環境とその生態系に変化を与え、膣内感染症などのリスクを高める可能性があります。使用するハーブの中には、生殖機能を向上させるものもありますが、膣スチームでその効果が現れるという科学的根拠がないので、ハーブを使用するなら従来のアロマテラピーやハーブティー、漢方などの方が良いかもしれません。
また、気を付けたいことは、ハーブは自然なものですが、その効果は強力です。皮膚に直接使用すると、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。月経前症候群の症状を緩和するために、ハーブの混ざった熱い蒸気を膣にあてるよりも湯たんぽを下腹や腰まわりにあてたり、温かいハーブティーを飲んでみたりする方が安全です。
膣スチームを試したい人は、医師や資格を持った代替医療従事者に相談し、膣スチームの長所と短所を聞いて、リスクを理解した上で試す価値があるかどうか見極めた方が良いと思われます。
Jen Gunter医師によると、生殖器官の上部と下部にはそれぞれの健康を調節するために非常に複雑なメカニズムがあり、それらはとても敏感でデリケートです。膣内の細菌生態系バランスに関して言えば、常に自然な状態に保たれているため、膣内に入る異物はどのようなものであってもそのバランスを崩す危険性があります。Douchingはもちろんのこと、精液でさえ膣にとって有害となる可能性があります。このため、複数のパートナーとコンドーム無しでセックスすることは、膣内細菌の生態系バランスを崩し、感染症リスクを増加させる危険因子です。
このように私たちの膣はデリケートな器官というだけでなく、女性の健康を担う大切な場所です。この場所に何を使うか、どのようにケアするかに関しては、自ら行うリサーチだけでなく産婦人科医や代替医療従事者などの専門家に相談すると良いでしょう。
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参考元:Dr. Jen Gunter、healthline、Medical News Today、The Period Doctor
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